冬にも多い 子どものあせも
あせも(汗疹)といえば夏に多いイメージですが、冬でも汗疹のお子さまは多くいらっしゃいます。
〇汗疹とは??
子どもや赤ちゃんは体温が高く新陳代謝が活発なため、一般的な成人の2~3倍も汗をかくと言われています。
また、汗腺が十分に発達していないため、分泌された汗が汗腺に詰まりやすい状態になっています。
汗の出口がふさがることで外に出せなくなった汗は、皮膚の内側にたまり炎症を起こしてしまい、これが汗疹と言われております。
冬は寒さ対策で部屋を暖め過ぎたり、厚着のさせ過ぎが汗疹の大きな原因となっています。
〇汗疹を予防するには??
★暖房の効きすぎに注意
赤ちゃんにベストな冬の室温は、大人が少し涼しいと感じる20~23度と言われています。
手足も余分な熱を逃がしているため、室内では靴下を脱がせましょう。
★肌着は、汗をよく吸うものに
厚着をし過ぎないようにして、吸湿性の高い衣類を選びましょう。また、皮膚を清潔に保つために汗をかいたらこまめにタオルで拭きましょう。
赤ちゃんの洋服の枚数は「大人と同じか1枚少なめ(新生児のころは大人より1枚多め)」がベストです。
★保湿をしっかりと行う
乾燥した肌はバリア機能が弱まってしまうため、肌トラブルがおこりやすくなります。
特に入浴後や汗を拭いたあとは、水分が蒸発しやすい状態となっているためしっかりとしたケアが必要です。
〇汗疹ができてしまったら
早めに皮膚科を受診し、必要に応じて塗り薬や、かゆみ止めの飲み薬を処方してもらいましょう。
汗には、身体の熱を放出させて体温を下げるという大切な役割がありますが、汗をかいたままにしておくと、汗疹やアトピーの悪化などの皮膚トラブルにつながります。
赤ちゃんは大人が思っている以上に暑がっています。しっかりと汗のケアをしてあげましょう♪
それでは、よいお年をお迎えください🎍
2017/12/28口角炎・口唇炎について
【口角炎】
口角炎とは、唇の両端である口角が炎症を起こし、赤みや腫れを生じる症状を言います。カサカサを伴うこともあります。
口を開くことで亀裂が生じると出血し、その後カサブタになります。亀裂は痛みを伴い、食事の時にしみる場合もあります。
カサブタは薄いため、ちょっとしたことで剥がれてしまい、再び出血してカサブタになることを繰り返すことが多いのも特徴です。
【口唇炎】
口唇炎とは、口の周りや唇に発生する皮膚炎や湿疹などの症状を言います。
体調不良の時に発症しやすく、赤く腫れあがったり唇が裂けて出血を伴う痛みを感じます。
【原因】
口角は唾液や食物が接触しやすい部位です。皮膚が繰り返し唾液などに接触することで、角質のバリアが破壊されます。
バリアがキズつくと、表皮細胞から炎症を引き起こす生理活性物質が放出され、皮膚炎を起こします。
皮膚や粘膜を正常に保つことに必要なビタミンBの不足(特にビタミンB2・B6)や、胃腸障害があると、口角炎や口唇炎を発症しやすくなるともいわれています。
【予防法】
・唾液や食物などの刺激により発症することが多いため、舌でなめすぎないようにしたり、食事の後は濡れたタオルなどで押さえ拭きしましょう。
・角質層のバリア機能を維持すると、刺激から皮膚を守ることができます。
適切な保湿も大切です。乾燥があるときは、ワセリンなど刺激の少ない保湿剤で保湿をしましょう。
・食事はバランスよく食べ、ビタミンB群が多く含まれる食品(レバー、牛乳、大豆製品、緑黄色野菜など)を多めに摂りましょう。
🌸市販のリップクリームでも効果が乏しい場合があります。
こんなことで受診しても…と思われがちな口角炎・口唇炎ですが、悪化する前にお気軽にご来院ください♬
冬のアトピー性皮膚炎
冬はアトピーの症状がひどくなることがある要注意な季節です。
普段はアトピー症状が出ない方でも、冬だけ出てしまうという場合もあります。
今回はなぜ冬はアトピー症状が出やすいのかを、分かりやすくご説明します。
🌸どうして冬にアトピーが悪化するの?
冬にアトピーが悪化する方は主に乾燥が原因と言われています。外部からの刺激に対する皮膚のバリアー機能が低下するため、皮膚が乾燥して炎症が起こると考えられます。
アトピー性皮膚炎の症状は、温度や湿度、ほこり、汗、ストレスなど様々な要因が関係しますが、特に冬場に症状がひどくなる方が多いようです。
🌸悪化を防ぐために
冬のアトピーを悪化させないためには、保湿が重要です。
冬場は浴室から出て15分ほど経つ頃にはもう肌はカサカサ、入浴前よりも乾燥している状態になるとも言われています。
タオルドライ後はすぐにローションやクリームなどで保水・保湿をしましょう。
また、乾燥している肌は普段以上にデリケートな状態です。刺激の少ない成分を使用している化粧品を選んで保湿するのもポイント!
当院でも低刺激の化粧品を取り扱っておりますので、気軽にご相談下さい。
🌸日常生活で気をつけること
・室内を清潔に保ち、肌に良い環境をつくりましょう
こまめに掃除をし、風通しを良く!温度と湿度を適度に保つようにしましょう。
・刺激の少ない衣服を着ましょう
綿の衣類のように吸湿性、通気性や肌ざわりが良いものを選びましょう。
ニットなど毛羽だった衣類を着る際は肌に刺激となるので、直接触れないように下着を着るようにしましょう。
・規則正しい生活を送り、暴飲・暴食は避けましょう
アトピー性皮膚炎の方にとって、生活リズムを整えることはとても大切です。
十分な睡眠、規則正しい生活、栄養のバランスの良い食事を心がけましょう。
これから冬本番となり、他の季節よりも肌が敏感になってきます。
本格的に症状があらわれる前にご相談くださいね。
冬にも紫外線対策を!
みなさん、冬も紫外線対策をしていますか?
冬は紫外線の量が少なくなる季節ですが、夏に比べて日焼け対策の意識が下がってしまったり、乾燥による皮膚のバリア機能の低下などで、夏よりも紫外線のダメージを受けやすくなっていることがあります。
紫外線にはふたつの種類があります。
☆UVB派
肌表面にダメージを与え肌が赤くなる炎症(日焼け)、シミ、皮膚がんなどの原因となります。
☆UVA派
肌表面のバリア機能を通り抜けて真皮に達するため、肌の弾力低下やシワなど、肌の老化を引き起こす原因となります。
UVA波の照射量が一番多いのは5月ですが、12月でも5月の半分程度の照射量といわれております。
波長が長くガラスや窓などを通過しやすいため、屋内でも浴びてしまう可能性があります。
そのため、季節関係なく紫外線対策は必要です!
そこで冬の紫外線対策のポイントをお伝えします!
☆毎日の保湿ケアを!
冬は肌が乾燥しやすい季節です。肌が乾燥すると、バリア機能が低下して紫外線のダメージを受けやすくなります。毎日の保湿ケアをしっかりと行いましょう。
☆露出する部分には日焼け止めを!
冬でも顔や腕には日焼け止めを塗るようにしましょう。夏に比べて紫外線量自体は少なくなるので、日常生活においてはそれほど強力なものを使用する必要はありません。
☆アウトドア時は真夏同様の対策を!
雪が積もった場所では、日差しだけでなく、反射による紫外線が多くなります。ウインタースポーツなどを楽しむ場合は、夏と同様にSPF値やPA値が高い日焼け止めを使用しましょう。
当院でも、敏感肌の方も使用できる日焼け止めクリームのサンプル等もご用意しております。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせくださいね!
2017/12/18しもやけについて
しもやけは、手足の指や鼻、耳たぶなどが赤く腫れ、かゆみなどの症状があらわれる皮膚疾患です。医学的には、凍瘡(とうそう)と呼ばれます。特に、子供や女性に多く見られ、気温が冷え込む12~3月にかけて症状があらわれやすいのが特徴です。
手足の冷えなどによって末端の血管がうまく拡張・収縮できなくなり、血行が悪くなることにより発症します。しもやけを改善するには、手足の血行をうながすことが大切です。
【しもやけの主な症状】
・手足が全体に赤く腫れる。
・手足の指、手のひら、足の裏に赤い発疹ができる。
・手足の指が赤黒くなっている。
・かゆみがあり、暖めるとかゆみが増す。
【しもやけの予防】
🌸体を冷やさないように気を付けよう!
冬に外出する際は、厚着をして寒くない状態にすることはもちろんですが、手と足と耳も冷えないようにしっかりと意識しましょう。
🌟冷え対策!
・手袋や帽子などの防寒具を装着して手、耳が冷えないようにする。
・足に合わない靴を履かない。靴が濡れてしまった場合は別の靴を履くようにする。
・汗をかいてしまった場合は、しっかりタオルでふき取るようにする。
・家の中でも注意!風呂上りは湯冷めをしないよう暖かい服装をする。
さまざまな肌トラブルと同じく、しもやけもこまめな対策が重要です。冬の寒さそのものをやわらげることはできませんが、日々の対策で、つらい肌トラブルを予防・改善しましょう。
2017/12/15蕁麻疹(じんましん)について
12月に入り、本格的に肌寒い季節となりました。
年末年始に向けて疲れがたまってくるこの時期、蕁麻疹(じんましん)の患者様が増えてきています。
蕁麻疹とは、皮膚の一部が突然に赤くくっきりと盛り上がり(膨疹)、しばらくすると跡かたなく消えてしまう病気です。
大抵は痒みを伴いますが、チクチクとした痒みに似た感じや焼けるような感じを伴うこともあります。
個々の皮疹(ブツブツや赤み)は通常数十分~数時間以内に消失しますが、中には半日から1日くらいまで続くものもあります。
【じんましんの治療】
・症状を抑えるために、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を内服します。
・症状が強く出ている場合には注射を行うこともあります。
【日常生活で気をつけること】
・汗をかくような運動や熱いお風呂に入ると症状が悪化するので控えましょう。
・アルコールは血流を良くし、症状を悪化させる可能性があるのでお酒は控えるようにしましょう。
・疲労、ストレスにより蕁麻疹が誘発されるので、疲労、ストレスをためない様に十分な睡眠をとり、規則正しい生活を心がけましょう。
蕁麻疹の治療は、痒みを我慢すると悪化することもあります。
気になる症状があれば、早めの受診を心がけましょう。
来院された際には症状が消えていることが多いため、症状が出た時の写真を携帯電話等で写真を撮って来院していただくと診察がスムーズです。
2017/12/11