あせもについて
こんにちは😊
早いもので、明日から6月に入り今年も暑い夏がやってきます🌞
日が長くなり気温も上昇し始め、虫刺されや日焼け、汗疹(あせも)や水虫といった夏季に流行する疾患でお悩みの患者様が増えて参りました。
今日は、中でも身近な「汗疹」についてご説明致します。
「あせも」と聞くと簡単に捉えられやすいですが、放置をすると細菌の二次感染を招き、膿(うみ)を持つ場合もあるため早めの治療が大切です✎
🍧汗疹ってなに?
汗を出す管(汗管)が詰まり、貯まった汗が周囲の皮膚組織に漏れ出し炎症を起こさせることにより生じます。
🍧原因
汗管が閉塞する機序は明らかになっておりません。
夏場に普段より多くの汗をかくことにより、皮膚の表面が汗によって浮腫み毛穴を塞いでしまうことが要因と考えられている説があります。
また、汗に含まれる細菌が産生する多糖体などの物質が関与しているとも考えられています。
🍧症状
3つのタイプに分けられます。
【紅色汗疹】
表皮内で汗管が閉塞するタイプで、汗疹の中では最も多いとされています。
赤くプツプツした紅斑が現れ、痒みを伴います。
首やわきの下、足の付け根など、汗が乾きにくい部分が特に生じやすいです。
【水晶用汗疹】
角層内で汗管が閉塞するタイプです。
直径1~3mmほどの透明、または白っぽい水疱(水ぶくれ)が多数現れます。
1~2日で疱が破れ、細かい鱗屑(皮膚の表面が剥がれ落ちる状態)を残し、軽快していきます。
【深在性汗疹】
皮膚のより深いところ、真皮に汗が溜まり生じます。
紅色汗疹を繰り返すことにより起こります。
白っぽい、平らな発疹ができることが特徴です。
🍧治療
ステロイドの外用薬で赤みや炎症を抑えます。
痒みが強い場合は、抗アレルギー薬の飲み薬も併用します。
「とびひ」といった細菌感染を起こしている場合は、抗生物質の内服薬を処方します。
🍧スキンケア
・こまめに汗をよく拭きましょう。
・涼しい環境をつくりましょう。
→空調設備が発達している現在の日本では、夏よりむしろ冬期に室温が高すぎたり、布団を多くかけることが原因で発症しやすいです。
室温は22℃前後を保つようにしましょう♪
・下着は吸湿性の良い木綿のものを選びましょう👕
・発汗後はシャワーを浴びたり、体を拭いて清潔に保ちましょう🚿
石鹸は手で優しく洗いましょう✨
🌟最後に…✎
Q:「夏も保湿が必要?」
A:「実は必要です😊ただし、夏場に合った保湿剤を選びましょう!」
肌が乾燥している状態で汗をかくと、より刺激を感じやすくなり皮膚に炎症が起こりやすくなります。
バリア機能を維持するためにも、保湿は季節関わらず大切です♪
しかし、冬期に使用するような軟膏やクリームタイプの保湿剤では汗管を塞いでしまう可能性があるため、
さらっとしたローションや泡、ムースといった基剤を選びましょう。
使用感のお悩みなど、その場で実際に塗ってお試しいただけます♪
早めに治療し、夏季の肌トラブルに備えましょう💪
2021/05/31
ケロイド・肥厚性瘢痕について
こんにちは😊
最近は雨の日が多く、ジメジメした日が続きますね☔
本日は傷の痕などにできる、「ケロイド・肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)」についてご紹介致します。
🌸ケロイド・肥厚性瘢痕とは
傷の治癒する過程で繊維成分が過剰に増殖することで形成します。
〈ケロイド〉
・もとの傷の範囲を超えて赤みや盛り上がりが広がっていく。
・強い痒みや痛みがある。
・自然に治ることが少なく難治性。
〈肥厚性瘢痕〉
・もとの傷の範囲に赤みや盛り上がりが現れる。
・軽い痒みや痛みがある。
・時間の経過と共に、自然に治ることがある。
🌟好発部位
・下床に骨がある、前胸部・上腕・背中・顔に多く発生しやすい。
・傷の痕、全身どこにでもできる可能性がある。
🌸原因
・傷の深さや治る早さ
・傷にかかる力(摩擦力など)
・妊娠や女性ホルモン
・高血圧
・全身の炎症
・過度の飲酒や運動
・遺伝的なもんだん(ケロイド体質など)
上記で挙げたものが原因の一部と考えられていますがはっきりとした原因は分かっていません。
🌸治療
ケロイドや肥厚性瘢痕の治療は保存的治療が第一選択になります。
・圧迫療法:テープやコルセットをし患部の固定と安静を保つ。
・外用療法:ステロイド剤の入ったテープ剤や軟膏を外用する。
・内服療法:痒みなどの症状があれば抗アレルギー剤を内服する。
当院では、これらを複合的にあわせて治療を行っていきます。
上記以外にも外科的に手術を行うこともありますが、ケロイドが再発しやすい為、瘢痕拘縮が強い場合などにのみ行います。
治療方法については症状によって変わってきます。
気になる症状がある方はお気軽にご相談ください😊
虫刺されについて
こんにちは😊
5月に入り気温が上がり、夏の兆しを感じるようになりましたね。
今回は、これから夏に向けて増え始める「虫刺され」についてご紹介致します。
🍀虫刺されとは?
虫刺されとは、蚊・ブヨ・ダニ・ハチ・毛虫・ムカデなどの虫が人間の皮膚を刺し、咬んだり、吸血することにより皮膚の炎症を引き起こします。
🍀原因
虫が皮膚を刺したり咬んだりしたときに虫が持つ成分が注入されアレルギー反応が起こることにより、痒みや痛み、腫れなどの症状を引き起こします。
🍀症状
・痒み、赤み、痛み、腫れなどが見られます。
・刺されてからすぐに症状が起こる「即時型反応」と、刺されてから1~2日後に症状が起こる「遅延型反応」の2つに大きく分けられます。
🌟特に蜂刺されは注意が必要です。
意識消失や呼吸困難といったアナフィラキシーショックが現れる場合もあり、命にかかわるため直ちに病院への受診しましょう。
🍀主な虫の種類
代表的な虫は、「刺す虫」「咬む虫」「吸血する虫」「ドクガ」に分けられます。
<刺す虫>
ハチ・・・公園や山野などに生息します。
<咬む虫>
ムカデ・・・草むらや室内にも出現します。
<吸血>
蚊・・・人家周辺、室内、公園、山野など様々な場所に生息します。
ブユ(ブヨ)・・・高原、キャンプ場などの渓流沿いに生息します。
ノミ・・・室内、人家周辺、草むらなどに生息。動物の皮膚に住み着いていることもあります。
<ドクガ>
毛虫・・・山野、庭、公園などで毒を持つ毛虫に接触する事により症状が起こります。
🍀治療
症状を抑えるステロイドの塗り薬や、腫れや痒みが強い場合は飲み薬を処方します。
🍀対策・予防
・患部をこすらず冷水で洗い、冷やしましょう。
・毛虫に刺された場合はテープなどで患部に残った毛を取り除き、石鹸とシャワーで洗い流しましょう。
・虫よけスプレーを使用したり、レジャーへの外出の際はなるべく露出を控えるように衣類を調整しましょう。
🌟Q:「虫刺されでも受診してよいですか?」
→A:「もちろんOKです❢」
ちょっとした虫刺されでも、放置しておくと腫れや痛みが出てしまい、なかなか治りづらく痕に残ってしまうケースもあります😟
特にお子様は、大人に比べて皮膚が薄く毒素に対する抵抗力が弱いため、大きく腫れることがほとんどです。
掻き壊すことにより「とびひ」に移行してしまうため、症状が軽いうちに早めに治しましょう😌
脂漏性皮膚炎について
こんにちは😊
今年も残念ながら緊急事態宣言が出てしまいましたが、ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか?
本日は、「脂漏性皮膚炎」についてご紹介致します。
🍓脂漏性皮膚炎とは?
頭の生え際や、顔面、胸、背中などの皮脂の多い部位に、黄色~銀白色のフケのようなものを伴った赤みが生じる皮膚炎です。
脂漏性皮膚炎は、新生児・乳幼児期に生じる「乳児型」と、思春期以降にみられる「成人型」があります。
【乳児型】一過性であり、正しいスキンケアで自然治癒することもあります。
【成人型】一度発症すると、良くなったり悪くなったりを繰り返し、多くは慢性的な経過をたどります。
40~50歳代以降の男性に多く見られます。
🍓原因
皮膚に常在している菌や皮脂分泌、肥満、ストレスなど、様々な生活習慣や環境などが重なって発症すると考えられています。
【マラセチア菌】
皮膚に常在しているマラセチア菌というカビは、皮脂を栄養源として増殖します。
その過程で作られる物質が皮膚を刺激し、脂漏性皮膚炎の発症・悪化につながります。
【皮脂の分泌と成分の異常】
皮脂の分泌が多くなることや、成分の変化により発症するといわれています。
【ビタミン不足】
脂漏性皮膚炎の患者様では、ビタミンB群が不足しているという報告があります。
【乾燥】
主に秋から冬にかけての乾燥する季節に、脂漏性皮膚炎の受診患者様が増加します。
【その他】
精神的ストレス、紫外線、化粧品、肥満など、様々な因子が関連していると考えられています。
🍓症状
【乳児型】前頭部を中心に、眉毛、眉間、耳前部などに生じやすく、黄白色、油性の鱗屑や痂皮が付着した紅斑を認めます。
【成人型】頭部、顔面中央、胸や背中、腋、外陰部などに認められます。
🍓治療
脂漏性皮膚炎の治療は、【薬物療法】と【生活習慣の改善】を行います。
【薬物療法】
主にステロイド外用薬と抗真菌外用薬を組み合わせて治療します。
ステロイド外用薬は、痒みや炎症を抑えます。
抗真菌外用薬は、マラセチア菌が増えないようにする薬です。
症状が弱い場合には抗真菌外用薬だけで治療することもありますが、症状が強い場合にはステロイド外用薬と一緒に使用します。
痒みが強い場合には、抗ヒスタミン薬の飲み薬を処方することもあります。
【生活習慣の改善】
《日常生活》
睡眠不足や過労、ストレスは症状を悪化させます。
不規則な生活は避け、規則正しい生活を送るようにしましょう。
また、適度な休養や気分転換でストレスを発散させましょう。
《食事》
偏った食生活、暴飲暴食は避け、ビタミン類を含め、バランスの取れた食事を取りましょう。
動物性脂肪はなるべく避けましょう。
《アルコール・タバコ》
アルコールやタバコは症状を悪化させます。
できる限り控えましょう。
🌟脂漏性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりを繰り返してしまう病気です😩
しかし、根気よく治療を続け、日々のセルフケアを心がけることで良い状態を長く保つことが可能です❢
症状に合わせた治療を行いますので、気になる症状がある方は、お早めにご受診下さい😊